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東京そぞろ歩き

謎の食堂

 生まれ育ちは関西にある、海沿いの小さな地方都市だ。ここに中学生の頃まで住んでいた。親の転勤で東京に出てきたのだが、親は定年と同時にまたこの町に帰っていった。そういうわけで、年に一度くらいは里帰りしている。

 中学生の頃というと、かれこれ20年も昔のことだ。10年ひと昔と言うが、自分の中学生の頃などもうふた昔も前のことになる。当然、ふるさとの風景もあの頃とは比較にならないくらい変化している。木造だった小学校は、すべて鉄筋コンクリートになっている。中学校のグラウンドの横にあった踏み切りは高架になって姿を消した。駅だってずいぶん立派になったもんだ。

 そんなあの頃の記憶とまったく変わってない風景がある。それがこの食堂だ。子供の頃に見たまんま、外観がまったく変わってないのだ。20年前の記憶もこのままだ。年をとった老夫婦が細々と切り盛りしているのだろうか。いや、これまでずっと続いていた店だ、実は何か絶品のメニューでもあるのかもしれない。お客さんはやっぱり常連さんばっかりなのだろうか。しかしこの店の入り口はちゃんと開くのかな。などなど、いろんなことをイメージしてしまう。毎回、実家に帰るたびに「入ってみようかな~」と思うのだが、なかなかそこまでの勇気が湧いてこない。なんか、ちょっと入るのがためらわれる感じだし…。そんな、時の流れが止まってしまったような食堂なのである。

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by tigers00 | 2005-04-01 23:10
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